原作は谷崎だが、大筋の作品は「刺青」ではなく「お艶殺し」である。 ただただ美しい若尾文子様。。。こんな女になら殺されても本望と、男なら思う? 「刺青」の原作を、私は15年位前に在阪の某女優の読書会で(読んだのではなく)聞いている。 さすがに女優。張りと艶のある声で滑らかに、情景を想像できるような語りであった。 谷崎の原作の「刺青」のヒロインはまだ15、6歳の小娘である。素足の美しさを彫り師の親方が見初めて、この娘を半ば騙してその背中に女郎蜘蛛の刺青を彫る話である。 親方は娘に2枚の絵を見せる。そのうちの1枚は「肥し」と言う題が付いている。男を肥やしにして美しく咲き誇る美女の絵である。女は親方に…