アイザック・ニュートン『プリンキピア』(1687年) 回っているのは地球か、太陽か 印刷技術がなければ、「科学革命」も違った姿になっていたことでしょう。これは17世紀のヨーロッパで生じた科学知識の急速な発展のことです。中でも天動説から地動説への転換は、最も劇的な進歩でした。 ヨーロッパでは、長らく天動説――宇宙の中心に地球があり、他の天体がその周囲を回っている――という宇宙モデルが信じられていました。これは紀元前400年ごろにプラトンが考案したモデルに基づいています[11]。紀元前3世紀にはアリスタルコスが地動説――太陽が宇宙の中心にあり、その周りを地球やその他の惑星が回っている――というモデ…