詳細 → 児ポ法
正式名:児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律
提供目的製造行為を、姿態をとらせて製造罪で起訴していいのか~4項製造罪と7項製造罪との関係 島戸さんらの解説では、各項の製造罪の守備範囲は重ならないとされていたのですが、提供目的で姿態をとらせて製造したとか、ひそかに姿態をとらせて製造したような事案が出てきたので、最近はそうるさいこというなよ、優先順位はないよという高裁判例が続いています。 訴追裁量論でごまかしているような気がします。 島戸純「児童買春,児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律の一部を改正する法律について」警察学論集57-08(2004.8.10) p97 ウ構成要件 第2項に規定するもののほか、児童に第2条第3…
「プールでの水遊び、泥遊び、体に絵の具を塗って遊ぶボディーペイント、乾布摩擦、内科検診など。その多くは下半身や胸などを露出した半裸の状態で、全裸の園児が掲載されているケース」は児童ポルノ罪か 3号ポルノの「性欲を興奮させ又は刺激するもの」という要件の問題です。 児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律 第2条 3この法律において「児童ポルノ」とは、写真、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)に係る記録媒体その他の物であって、次の…
「ひそかに、同所側溝内に動画撮影状態にしたスマートフォンを設置し、同スマートフォンで同側溝上を通行中の氏名不詳者12名が身に着けている下着の性的な部位を覆っている部分を撮影した」という性的姿態撮影罪は包括一罪(神戸地裁r6.1.26) 性的姿態撮影罪の保護法益は不同意わいせつ罪と接近した個人的法益だと説明されていますが、足下からの下着盗撮はわいせつ行為ではないので個人的法益が薄まって12人でも包括一罪になりますかね。 法務省逐条説明 第2章前説 【説明】 第2条から第6条までの各罪は、人の意思に反して性的な姿態を撮影したり、これにより生成された性的な姿態の記録を提供するといった行為がなされれば…
「送信させ」までをわいせつ行為とするものが増えてきました。 高裁レベルでは、「撮影させ」までなら強制わいせつ罪になって、「送信させ」はわいせつ行為には含まれないとされていて、地裁でこの高裁判例を紹介すると、「送信させ」が引っ込んだりします。東京高裁平成28年2月19日 そして,③については,画像データを送信させる行為をもって,わいせつな行為とすることはできない。 以上のとおり,原判決が認定した事実は,強制わいせつ罪の成立要件を欠くものである上,わいせつな行為に当たらず強要行為に該当するとみるほかない行為をも含む事実で構成されており,強制わいせつ罪に包摂されて別途強要罪が成立しないというような関…
児童に対する性犯罪に並行して盗撮行為が行われた場合の児童ポルノ製造罪の罪名について、姿態をとらせて製造罪説に仙台高裁r6.1.23が加わり、3対3で拮抗しました。 仙台高裁の事例は、当初、ひそかに製造罪で起訴され、大阪高裁r5.1.24の影響で姿態をとらせて製造罪に訴因変更され1審判決になったものですが、控訴審でひそかに製造罪が正解じゃないのかという法令適用の誤りが主張されたようです。 (1)姿態をとらせて製造罪説 ①大阪高裁H28.10.26*1(姫路支部h28.5.20*2) ②大阪高裁r05.1.24*3(奈良地裁R04.7.14*4) ③仙台高裁r6.1.23(仙台地裁r5.7.20)…
被写体児童自身には自身に対する性的搾取の契機を欠くため、児童ポルノ関連犯罪の主体ではない~仲道祐樹「児童ポルノ法の判例と理論的課題:自画撮りの問題をめぐって」警察学論集76巻12号 法文上は児童も主体に含まれるのですが、Instagramなどで、児童が自発的に撮影済み画像を売っている場合でも児童には製造罪・提供罪は成立しないそうです。自撮りによるい供給は止まりそうにありません。 仲道祐樹「児童ポルノ法の判例と理論的課題:自画撮りの問題をめぐって」警察学論集76巻12号 以上をまとめると次の通りである。まず、自画撮り送信による姿態をとらせ製造罪は、描写および製造の点について、間接正犯としての構造…
裸体を撮影送信させる行為について、高裁レベルでは強要罪説(岡山支部H22.12.15、東京高裁H28.2.19)から、強制わいせつ罪説(大阪高裁R03.7.14)に移りつつあるが、最高裁の判断がない状況。 警察に聞かれましたが、大阪高裁は実刑になっていますが、送信させる型強制わいせつ(リモートわいせつ型)は、量刑が軽めなので、1審と控訴審の未決が多くなっているのと、上告未決が何日もらえるかわからないのとで、上告できていません。 文献番号】 25470943 【文献種別】 判決/広島高等裁判所岡山支部(控訴審) 【裁判年月日】 平成22年12月15日 【事件番号】 平成22年(う)第100号 【…
中学生が、ふんどし姿で乱舞しながら無病息災や五穀豊穣(ほうじょう)を祈る画像は、「正当な理由」がなければ、「対象性的姿態等」(2条1項4号)だけど、16歳以上の場合は、「人が通常衣服を着けている場所において不特定又は多数の者の目に触れることを認識しながら自ら露出し又はとっているもの」だから「対象性的姿態等」に該当しない(2条1項1号)。 https://article.auone.jp/detail/1/2/2/101_2_r_20240111_1704939142069375 地元の中学生から34歳までの男性が、ふんどし姿で乱舞しながら無病息災や五穀豊穣(ほうじょう)を祈る勇壮な祭りだ。 ふ…
仲道祐樹「児童ポルノ法の判例と理論的課題:自画撮りの問題をめぐって」警察学論集76巻12号 間接正犯構成は、未公開の高裁判決いくつかで否定されてます。鳥取県警の情報公開で出てきた。 強制わいせつ罪・不同意わいせつとの関係については、観念的競合とする高裁判決が3件(大阪、大阪、札幌)出ている。 わいせつ」とされる範囲は、東京高判平成28年2月19日(強要被告事件 判夕1432号134)が「撮影させ」までとしているのが効いていてだいたいそうなっているが、zoom生中継の準強制わいせつ事件が札幌高裁に係属した。 仲道祐樹「児童ポルノ法の判例と理論的課題:自画撮りの問題をめぐって」警察学論集 特別刑法…
男湯の女児画像の3号ポルノ該当性について判例があります 男湯で興奮している人を見かけることはなく、一般人基準だと、普通は興奮しないわけですが、 森山野田「よくわかる改正児童買春ポルノ法」P201 Q49 第7条第3項で、他人に提供する目的がないのに児童ポルノを製造する行為を処罰することにすると、親が自己の子どもの入浴、水遊びの情景を写真撮影する等の行為についても処罰の対象になるのではないですか。 A このような情景を撮影した写真に関しては、現行法第2条第3項第3号に該当するか否かが問題とされるのかもしれませんが、同号については、その要件として「性欲を興奮させ又は刺激する」との要件がついており、…
児童ポルノ法では、「性欲を興奮させ又は刺激するもの」ではないとして、除外されていたような気がします。 子ども相撲でも、小児性愛の人が撮影していると、正当理由がないとして、性的姿態撮影罪になるという解釈です。アスリート盗撮に寄せている可能性もあります。 性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律(令和五年法律第六十七号) 第二章 性的な姿態を撮影する行為等の処罰 (性的姿態等撮影) 第二条 次の各号のいずれかに掲げる行為をした者は、三年以下の拘禁刑又は三百万円以下の罰金に処する。 一 正当な理由がないのに、ひそかに、次に掲げる姿態等…