「浜田!」 プレーをかけようとした時突然後ろから呼ばれた。 「お、篠田」 走ってきたのだろう、篠田は息弾ませて言った。 「ママさんくるで」 ひとつ手柄を立てたような得意顔をしている。 「おおそうか、良かった。今どこに居てはんねん」 「こっちへ向かってる。もうそろそろ見えるはずや」 私は女子たちの集まりを見た。ほとんどがそのまま観戦している。全部とは言わぬでも半分でも買えばかなりの売り上げになるはずだ。計算は鈍いが一人五円としても何人居るのか。 篠田は言った。 「俺な、ママさん来はったら女子に言い含めるで。宣伝やがな。氷喰いとうなるように仕向けるんや」 私は頷いた。 「もちろんや、頑張ってくれ。…