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首都機能移転

地理

首都機能移転

しゅときのういてん

首都機能移転(しゅときのういてん)とは、東京都内に立地する政府機能(立法機能・行政機能・司法機能)を東京60km圏外に移転する事業のこと。

現在、「栃木福島地域」「岐阜愛知地域」「三重・畿央地域」の3地域が候補地となっている。

目的

東京一極集中の是正

首都圏は現在約4000万人もの人口を有しており、世界最大の都市圏を構成している。しかしながら、その構成人口の多くは地方からの上京者で占めており、これら労働者の大量流出によって、大阪名古屋などの地方大都市圏を含む地方都市や、農漁村などの衰退を招いた。また、一極集中によって都市部の生活環境の悪化や、通勤ラッシュなどが深刻化した(皮肉を込めて「痛勤」ラッシュと呼ばれることもある)。これらの社会問題を是正するため、経済的中心地と政治的中心地を分離させることによって日本全体での発展を図ろうとしている。

●政治システムの改革

・政財官の癒着構造の打破。

地方分権の推進により、中央集権による様々な弊害を打破。

防災対応力の強化

南関東直下地震発生時のリスクヘッジ

・防衛上の問題。

経緯

バブル期(1980年代後半)に東京の地価が暴騰し、その解決策としての首都機能移転論が出てくる。

1990年、衆参両院にて「国会等の移転に関する決議」で「首都機能移転を検討する」という基本方針を確認

・1992年、「国会等の移転に関する法律」成立。この法律に基づき候補地の選定等の準備作業に入ることになる。

・1999年、「国会等移転審議会」が候補地として3地域を選定

・2003年、衆参両院の「国会等の移転に関する特別委員会」にて、「移転は必要だが、3候補地の中でどの候補地が最適なのか、絞り込めない」形で中間報告を採択。衆参両院の合同機関(国会等の移転に関する政党両院協議会)にて引き続き検討。

賛否

この計画については、「費用が過大で財政に負担」「移転先の環境が悪化する」「一極集中の是正には効果無し」との反対意見もある。

小泉首相は自らの著書で賛成を表明している。

石原東京都知事は断固反対の立場を取るが、衆議院議員時代に、移転決議に賛成していたという疑いがもたれている。また東京都立大学等を統合して新たにできる大学の名称を首都大学東京にした。

政党間でも、共産党社民党、旧保守新党は一律「反対」となっているが、自民党民主党では党内の意見がまとまっておらず、それがこの計画の先行きを一段と不透明にしている。

その他

皇室の移転(遷都)をするかどうかは未定。現在の計画では皇室移転は考えられていない。なお、自民党亀井静香は、「首相になったら茨城京都にでもお移り頂く」という趣旨の発言をしている。

現在計画中の首都機能移転では「経済機能の新首都への移転」や「人口の新首都への移転」は考えられていない。新首都への一極集中を防止し、あくまで新首都はコンパクトな行政都市に留まる、というのが基本コンセプトだが、一方で「新首都へ人口が一極集中し、第二の東京になる」と懸念する声も根強い。