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渋江抽斎

(一般)
しぶえちゅうさい

(1)(1805-1858) 江戸後期の儒者。江戸の人。弘前藩医。名は全善、字(あざな)は道純・子良。考証家としてすぐれ、漢・国学の実証的研究方法に功績が大きい。著「経籍訪古誌」など。
(2)史伝。森鴎外作。1916年(大正5)発表。(1)とその一族の克明な伝記。作者の代表作とされる。


三省堂提供「大辞林 第二版」より


 初出:大正5年1月〜5月「東京日々新聞」・「大阪毎日新聞」
 鴎外自身で材料を集め、考証推理した最初の長篇史伝である。鴎外は武鑑を収集しているうちに、弘前医官渋江抽斎という朱印のある書物に出会い、興味を持った。それから、渋江氏のことを調べ始め、抽斎の娘や子息にも行き当たった。自分と職業、経歴、あるいは趣味に近いものがある抽斎に対する同情と、未知のものを発掘する情熱にかられたのである。
 明治維新をはさんで、士族の運命の移り変わりを描き、さらに江戸から東京へ、封建の世から資本主義社会への社会情勢までとらえた史眼のたしかさは、みごとである。鴎外最高の作品とする評家が多い。
 

渋江抽斎 (岩波文庫)

渋江抽斎 (岩波文庫)

渋江抽斎 (中公文庫)

渋江抽斎 (中公文庫)

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