昭和20〜30年代の、伝説的な出版社。社主・伊達得夫。
昭和20〜30年代に美しい詩書を生み出した出版社、書肆ユリイカ。最初の出版物である原口統三『二十歳のエチュード』、H氏賞を受賞した吉岡實『僧侶』、岡鹿之助のコロタイプ画が表紙を飾る清岡卓行『氷つた焔』、真っ赤な細い斜め帯が鮮烈な安部公房『飢えた皮膚』、A3判の詩画集伊原通夫画・飯島耕一詩『ミクロコスモス』など、伊達得夫の手がけた工夫に満ちた造本作品184冊を一挙に展示する。 「書肆ユリイカの本」展〜田中栞コレクションから〜の案内より<<
昭和20〜30年代に美しい詩書を生み出した出版社、書肆ユリイカ。最初の出版物である原口統三『二十歳のエチュード』、H氏賞を受賞した吉岡實『僧侶』、岡鹿之助のコロタイプ画が表紙を飾る清岡卓行『氷つた焔』、真っ赤な細い斜め帯が鮮烈な安部公房『飢えた皮膚』、A3判の詩画集伊原通夫画・飯島耕一詩『ミクロコスモス』など、伊達得夫の手がけた工夫に満ちた造本作品184冊を一挙に展示する。
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記事タイトル 詩タイトル 雑誌タイトル 出版者 城趾の町 日本詩壇 日本詩壇発行所 11(8) 1943-08 夕景 日本詩壇 日本詩壇発行所 11(9) 1943-09 県立神奈川近代文学館蔵書検索 新詩派 一心読書会 蠅 現代人 隅田書房 (6) 1948-09 蠅 文学時標 文学時標社 三好達治論 鱒 赤絵書房 (4) 1947-10 三好達治論(二) (5) 1947-12 三好達治論(三) (4) 1947-10 欺瞞者の文學 コスモス コスモス書店 (7) 1947-10 遲刻者 コスモス コスモス書店 (8) 1947-12 県立神奈川近代文学館蔵書検索 詩行動 詩行動社 詩人の…
創作/小説 長編小説死の影の下に(死の影の下に・第一部)真善美社 1947 成瀬書房版シオンの娘等(死の影の下に・第二部)河出書房 1948愛神と死神と(死の影の下に・第三部)河出書房 1950魂の夜の中を(死の影の下に・第四部)河出書房 1951長い旅の終り(死の影の下に・第五部)河出書房 1952夜半楽 新潮社 1954冷たい天使 大日本雄弁会講談社 1955回転木馬 大日本雄弁会講談社 1957自鳴鐘 新潮社 1958熱愛者 講談社 1960女たち 中央公論社 1961恋の泉 新潮社 1962燃える薔薇 講談社 1963水中花 講談社 1964空中庭園 河出書房新社 1965恍惚 新潮社…
先日、坂村真民さんと村上昭夫さんの詩集(現代詩文庫)を読んだときに思潮社の小田久郎さんが朝日新聞の惜別欄にのっていたことを思い出した(2023年6月10日)。そこで古い新聞を抜きだして再読した。 <学生時代から、終戦直後の混沌のなかで出版に携わり、文芸誌「文章倶楽部」の編集長に。戦後詩壇の代表格にいた鮎川信夫と、」駆け出しだった谷川(俊太郎)さんとの対談を企画。また投稿欄に寺山修司や石原吉郎らの作品が載り、世に広まるきっかけとなるなど、数々の実績を残した。> こういう経歴の方なんだ。「文章倶楽部」ってどこから出ていたのかな? <1956年に思潮社を立ち上げた。同じく詩の出版社だった昭林社、書肆…
さて、窓展である。昨日から雨。雨の中、トートバッグに古本いっぱい詰めて帰るのは嫌だなあと思っていた。だからなのかどうか、古書会館前の行列はいつもよりはほんのちょっと少ないように感じた。開場15分前くらいにきたのだが、5分前くらいには古書会館入り口を開放し階下の開場入り口前のたまりに入れたのでやっぱり人数は少ないのだろう。そしてスタート。 まずあきつ書店の棚へ。窓展はカゴがないので確保分は手で持つしかなく、あまり持ってもいられない。で、いくつか抱えたが、これといったものはないし、これ今買っても仕方ないよなあというのは手放し。それから他の書店も回る。けやき書店の棚、かわほり堂の棚を特にじっくりと見…
戦後詩壇私史 作者:小田 久郎 新潮社 Amazon 戦後間もないころの詩人と詩の出版社の状況を活写する活気に満ちた本。詩というとマーケットが狭く、それほど広く人口に膾炙していないのが実態である。そうでありながら、様々な詩人が様々な媒体で活躍している状況を描いている。戦後間もないころの書肆ユリイカの話や自ら立ち上げた思潮社の話。そこで活躍する谷川俊太郎や鮎川信夫、吉本隆明、大岡信の話など。エピソードをいろいろと交えながら、自らの批評意識も反映させる。一種のエッセイである。 このように、マイナーなカルチャーの状況をきちんと記録していくということはとても貴重である。マイナーであってもたくさんの人が…