「上級国民」というワードは2019年春に飯塚幸三という男が起こした事件にて一躍流行した言葉である。ニュアンス的には元官僚で勲章持ちの人間は、権力によって罪さえも揉み消すことができてしまうのだという使われ方だった。まさにその流行語大賞にもノミネートされたことに関連して出版されたのが、今回紹介する1冊である。 日本経済停滞 序章は経済的な視点で話が進む。平成で起きたこととしてデータが示すのは「日本がどんどん貧乏くさくなった」ということだった。1人あたりGDPは2001年(世界2位)→2018年(世界26位)と、すっかり落ちぶれてしまった。しかしこのことは様々なメディアで叫ばれていることだし、承知の…