春が旬の魚 春を告げる鳥を「春告鳥」と書いて(うぐいす)と読むが、「春告魚」と書けば(にしん)である(めばる、とも読む)。かつてニシンは産卵期の春になると北海道の沿岸に大量に押し寄せて、北海道ではまさに春を告げる魚であった。今は漁獲量が激減してそのようなこともなくなったらしいが、ちょうどその頃に脂がのるので旬となる。魚偏では「鰊」「鯡」と書くが、「鰊」のつくりは若いと言うことを表している。「鯡」(魚に非ず)と書くのは、江戸時代の北海道(松前藩)においてニシンは重要な食料であり、「ニシンは魚に非ず、海の米なり」と言われ年貢として納めたことによる。また「青魚」(にしん)とも書くのだが、これは背中が…