障害者権利条約

社会

障害者権利条約

しょうがいしゃけんりじょうやく

2006年12月13日に国連総会が採択した「障害のある人の権利に関する条約」のこと。

日本は2007年9月28日に高村正彦外務大臣(当時)がこの条約署名し、2014年1月20日に、批准書を寄託している。また同2014年2月19日より日本において発効状態となっている。

条約の内容について

ないがしろにされがちな障害者人権について、改めてその基本的人権の尊重をうたったものとなっている。

「われわれのことを我々抜きで勝手に決めるな!」(英語: Nothing about us without us !)と言うスローガンを掲げた事が画期的であり、障害者の視点から作られた条約であることも特徴的である。

その主な内容とされるものを外務省ページより抜粋すると、

(1)一般原則障害者の尊厳,自律及び自立の尊重,無差別,社会への完全かつ効果的な参加及び包容等)

(2)一般的義務(合理的配慮の実施を怠ることを含め,障害に基づくいかなる差別もなしに,すべての障害者のあらゆる人権及び基本的自由を完全に実現することを確保し,及び促進すること等)

(3)障害者の権利実現のための措置(身体の自由,拷問の禁止,表現の自由等の自由権的権利及び教育,労働等の社会権的権利について締約国がとるべき措置等を規定。社会権的権利の実現については漸進的に達成することを許容)

(4)条約の実施のための仕組み(条約の実施及び監視のための国内の枠組みの設置。障害者の権利に関する委員会における各締約国からの報告の検討)

となっている。また、これらについて条約内第46条第1項で

この条約の趣旨及び目的と両立しない留保は、認められない。

と規定されており、その人権の尊重が強く求められる条約となっている。

国内における受容

この条約を批准するにあたり、国内では障害者基本法が改正された。また、新たに障害者差別解消法が制定された。

しかし、条約で定められる義務の履行は中途なものもあり、国際人権規約の実施状況と合わせその違反が国際的に指摘される可能性がある。

精神医療の場において

この条約で個人の自律及び自立の尊重が一般原則になっている事に加え、

第5条 平等及び無差別
2 締約国は、障害に基づくあらゆる差別を禁止するものとし、いかなる理由による差別に対しても平等かつ効果的な法的保護を障害者に保障する。
第12条 法律の前にひとしく認められる権利
1 締約国は、障害者生活のあらゆる側面において他の者との平等を基礎として法的能力を享有することを認める。

とされている事から、この条約に日本が批准した事は国内の精神医療の場に対し革新的であると評する者も少なくない。