本堂と日日草 いのちの原風景 私たちは心の奥深くに、原風景(げんふうけい)というものがあるように思います。私にも懐かしい原風景がたくさんあります。野山を駆けて遊んだ学童期の楽しい思い出、母親の手料理・・・。言葉では説明のできない大切なものばかりです。 火薬の爆発しかし、それは楽しい思い出ばかりではありません。1965(昭和40)年7月22日のことです。小学校6年生の私は楽しい夏休みを過ごすはずでした。オモチャの鉄砲で使う巻玉(まきだま)の火薬をほぐして、小さな薬の空きビンに詰めようとしていたその時、火薬が爆発してガラスの破片が腹部や腕に突き刺さったのです。 痛さで実感するいのちそして眼にも破片…