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新耳袋

読書

新耳袋

しんみみぶくろ

木原浩勝と中山市朗の二人による共著で、本キーワードを登録している現在では単行本が第八巻(第八夜)まで続いている、市井の人々が体験した実話怪談を集成したシリーズ。百物語にあやかって一巻において99話まで収録するという形態が採られている。

1990年扶桑社から最初の単行本が刊行されたのを皮切りに、その後メディアファクトリーに媒体を移してから単行本はもとより、新宿ロフトプラスワンでの座談やその他には漫画やドラマ等様々にその表現形態を移しながら現在でも継続している。映像化にあたっては『リング』シリーズに参加した鶴田法男や『呪怨』の清水崇などが参加しており、その事実が本シリーズが和製ホラーにおいて如何に特権的な地位を占めているかを物語っていると言っても恐らく言い過ぎではない。もう一つの実話怪談シリーズの雄である『「超」怖い話』シリーズと共に、ともすれば際物・色物と見られがちな「実話怪談」というジャンルの幅を大きく広げた功績は多大なものがあると言える。なお、文庫版は角川文庫よりリリースされている。

新耳袋』の由来は江戸時代の奉行、根岸鎮衛が個人的な趣味で集積していた微細な怪談ないしは不思議な話の集積体である『耳袋』にあやかったもので、本家(?)『耳袋』は廉価では例えば平凡社ライブラリー岩波文庫などで手軽に手に入る。興味のある向きは読んでみるのも一興。