Neue Sachlichkeit (ノイエザッハリヒカイト ドイツ語) 第一次大戦後の荒廃したドイツで興った反表現主義的な美術運動。冷徹なリアリズムによって対象を即物的に表現すること重視する。名称の由来は1925年にマンハイム美術館で催された展覧会名から。後に音楽分野にも波及し、指揮法やヒンデミットら作曲家に影響を与えた。運動はナチスの台頭と共に迫害されて1930年代に消滅した。 その代表的な例が、オットー・クレンペラーが音楽監督を務めたベルリン・クロール劇場である。
Albert Renger-Patzsch / Albert Renger-Patzsch、 text by Volker Kahmen / Edition Bahnhof Rolandseck, / 1979年 / 247x185mm / 24ページ / 独文 / Softcover / 3,500円+350円=3,850円 は「本まるさんかくしかく」 で販売中です。 hon034.stores.jp 厳格で 冷たい 写真ではないでしょうか。 空気とか、 体温とか、 ひとの気配とか 感じないというか。 レンガー・パッチュの 美意識や視線に それらが無いといったほうが いいみたい。 美しいのだ…
1903年生まれ、1942年没。享年38歳。今年で生誕120年を迎える安井仲治の特別展である。 その足跡からは、アマチュアならではの豊かで先鋭的な写真表現の幅を知ることが出来るとともに、その豊かな表現の場であった日本が窮屈な戦争国家へ転じてゆく中で、作家がいかに生きてきたかを見ることにもなる。
自画像(1831) 《突撃》 《傷痍軍人》 《売春婦2》 《売春婦3》 《売春婦4》 《サロン1》(1921年) 家族の肖像画、1925年 《七つの大罪》(1933年) 《老夫婦》(1923年) 《レダ》 ドイツ新即物主義の画家で、オットー・ディクス(1891年-1969年)の《レダ》です。彼は第一次世界大戦にも従軍しているらしいが、戦争の悲惨さや、戦後ドイツの頽廃した社会情勢をグロテスクともいえる生々しさで表現する画家で、数多くの肖像画も残すが、それらも現実を徹底的に直視する写実精神をもって描かれている。1927年、ドレスデン美術アカデミー教授となるが、1933年、ナチスの政権掌握後、解雇さ…
エルンスト=カッシーラーの『カントの生涯と学説』(1918年初版)は500ページ近くの大作であり、カッシーラーの代表的な著作の一つに数えられる。カントの生涯と学説【新装版】作者:エルンスト・カッシーラーみすず書房Amazon 美の判定の分析のための準備 第六章はカントの『判断力批判』を扱っている。 導入的な第一節ののち、第二節ではカントに至るまでの西洋美学史を新プラトン主義の観点から概観する。主なキーワードは、内的形式*1と直覚的悟性(神的知性)*2である。 プロティヌスを源流とする新プラトン主義において、美の理念は有機体(自然や生命現象)へも類推適用される。美と有機体(自然や生命現象)の問題…
竹山道雄『古都遍歴―奈良』(新潮社 1954年) 矢内原伊作『古寺思索の旅』(時事通信社 1983年) 前回に続いて、奈良の寺や仏像に関する本を読んでみました。書影(真ん中)には、『古都遍歴―奈良』の改版(1976年)も入れています。『古寺思索の旅』は、奈良の寺は半分ほどで、あとは京都の寺についてと、一般的な古寺の話題でしたが。竹山道雄はドイツ、矢内原伊作はフランス系の文学者と畑は違っても、前回読んだ和辻哲郎、亀井勝一郎と似て、理屈っぽく、哲学者と言ったほうがふさわしいくらい自由に考えを繰り広げています。彼ら4人に共通するのは、身につけた西洋の思想を踏まえながら、専門外の建築や美術の世界で自ら…
ファシズムとはだれもがその内部を見渡せるガラスの家 遠くをみつめるポーズは全体主義国家の最高権力者が好む ローアングルで撮影するために地面に穴を掘ることまでした 黒バックに顔が浮かび上がるハーフ・シャドー オブジェクトポスター ロゴと製品だけ 新即物主義
ABSTRACTION展の図録で、企画の際に参照した先行研究として挙がっていて、日本語でまとまって読める抽象絵画の歴史についてのほぼ最新の文献っぽかったので、読んでみることにした。 テーマ別に章分けされており、抽象絵画は第1章と第3章 第2章にダダやシュールレアリスム、第4章にネオダダやポップアート、第5章が身体表象、第6章が政治と芸術、第7章はメディアアートになっている。 第1章から第7章までおおむね時系列順に進むが、テーマ別の章立てなので、時系列的には行きつ戻りつすることになる。しかし、その構成がわりと読みやすい。重複して登場する作家・作品もあるが、章によって着目点が違うので、復習しつつ多…
こんばんは 人前で話すことがとても嫌いです。 質問されることはもっと嫌いです。 場数をこなせば好きになるものなのでしょうか? 改善する見込みがなくしんどい日々が続きますが、めげずに頑張るしかないですね。 今回はこちら https://amzn.asia/d/g34blal ファシズムの仕組みを解説している本ですが、ただの解説本ではなく実際に著者が行っていたファシズムの体験授業のレポートも載っています。 学び 1.武力や恐怖だけが、ナチス支持の理由となったわけではない 2.ファシズムに必要な要素、「圧倒的権力」、「権力下の自由」 3.集団での行動は1人1人の意識や気持ちを大きくさせ、何か大きな力…
Introduction ヒンデミット:ウェーバーの主題による交響的変容 ジョージ・セル:クリーヴランド管弦楽団 第1楽章:Allegro 第2楽章:"Turandot, Scherzo", Moderato - Lebhaft 第3楽章:Andantino 第4楽章:Marsch Introduction クラシック音楽についての記事は2023年3月17日以来、このように聴き比べのような記事は2022年11月20日以来となる。久しぶりに書くのでどのように書いていたか感覚を取り戻すのに時間がかかりそうだ…。 今回は、ヒンデミット:ウェーバーの主題による交響的変容を取り上げよう。パウル・ヒンデミ…
FacebookやTwitterで以前より告知させていただいていましたが、7月27日に代官山教会Church Hallにてリサイタルを行います。 リサイタルまであと一週間を切りましたが、とても有難いことに満席となりました。直前のご案内となってしまうとは思いますが、まだキャンセル待ちはお受けいたします! ヴィオラの中村さんはアメリカ生まれ・育ちなのですが、このコンサートのために数日前から我が家にホームステイしていて、毎日ヒンデミットのリハーサルを進めています。コンセプトも音楽的にもなかなか一筋縄ではいかない曲なので、音が合う・合わない以前に、お互いの持つ曲/各セクションへの解釈をすり合わせておく…
1993年12月、宝文館出版から刊行された鈴木俊の刺繍。装画はヨアヒム・リンゲルナッツ。 このまえの詩集が一九八二年でしたから、今度の詩集との間に十年以上も間隔をあけてしまったことになります。詩人を志す者としてこれでは話にならないとたいへん恥ずかしく思います。しかしこの十年間、安閑として過ごしてきたわけではありません。 この間に私は村野四郎論「闇の深さについて――村野四郎とノイエザハリヒカイト」を出し、併せてヨアヒム・リンゲルナッツ「体操詩集」を全篇初めて訳しました。その後も「画家リンゲルナッツ」「現代ドイツ詩集」等ドイツ詩の翻訳紹介に時間を費してきました。私の訳詩がお役に立てばこんな嬉しいこ…
20230401(了) コルンゴルト・ヴァイル・クルシェネク/ヴァイオリン協奏曲 (1)エーリヒ・ヴォルフガング・コルンゴルト(1897-1957): ヴァイオリン協奏曲 Op.35(1945) ①10:05 ②8:54 ③7:23 <★★★★> (2)クルト・ヴァイル(1900-1950): ヴァイオリンとウインドオーケストラのための協奏曲 Op.12(1924) ④Ⅰ10:29 ⑤Ⅱ.3:38 ⑥Ⅱ.3:32 ⑦Ⅱ.3:44 ⑧Ⅲ.7:11 <★★★△> (3)エルネスト・クルシェネク(1900-1991): ヴァイオリン協奏曲 №1 Op.29 ⑨12:35 ⑩5:08 ⑪3:45 <★…
1950年代だと私なら断言する。 この時代は西洋音楽(クラシック音楽とポピュラー音楽双方)が爛熟の果てに「超新星爆発」を起こしたとでもいうべき時期である。 極端な話、これ以降の登場人物・出来事は、この大爆発の余波であり、音楽史上の位置付けとしては注釈に過ぎないとすら感じられる。 さらに大袈裟・大きな視点でいえば、「西洋」とか「歴史」という物の見方が通用する最後の時代だともいえる。 クラシック音楽の創作においては、ブーレーズやケージらに代表される最後の偉人達の台頭。 演奏史においては、19世紀来の伝統を受け継いできた大巨匠達(フルトヴェングラーやトスカニーニら)の歴史的名演・引退・逝去と、新たな…