2015年4月25日初版発行 2020年6月10日19刷発行 七日目の和田峠は横殴りの雪で中山道随一の難所。宿の差配役から発駕をやめるよう注意されたが、一路は吹雪の峠越えを決断した。皆が凍死の寸前、殿は白馬に乗り、誰よりも先んじて峠に辿り着く。が白馬は体力を使い果たし絶命する。夜半、辻井良軒が眠り薬を処方し、殿は一路と同時に薬を服用する。良軒は喜惣次から砒素を混ぜるよう指示されていたが、殿は決してうつけではないと気づき、指示に従わなかった。将監らが企む陰謀に手を貸しているのが外に誰がいるのか分からず、一路の疑心暗鬼は深まるばかりだった。 八日目は佐久平を通って岩村田宿に着く。岩村田は内藤家の陣…