水上警察署は、主に沿岸部を管轄する警察署である。2013年4月現在、日本には3ヶ所ある。
港湾内における密輸品の取り締まり、密航者の摘発、水難事故の救助などが主たる業務である。高速警備艇で巡回し、外国船籍に対する捜査権も有している。
近年では、テロ対策として、石油コンビナートや発電所などの施設パトロールも行うようになっている。
ただし、領海内であればどこでも権限が行使できる海上保安庁と異なり、活動できる範囲は港湾の海域と陸上の一部分に限られている。
1877年、河海警察狩り出張所が東京に設置され、1879年に水上警察署となったことが始まりとされている。
日本では明治期以降、外国航路を中心に貨物船が大型化し、大きな港湾では艀を使って沖合の貨物船で貨物の積み下ろしをし、陸上へ輸送する沖仲仕という港湾労働者が登場した。彼らの中には艀を自ら所有し、その一角に居住区を設けて家族と住み、港湾や河川で水上生活を送る者も大勢いた。そこで水上生活者のための学校や福祉施設が港湾都市に設けられるようになった。水上警察もこうした水上生活者の治安や、港湾や船舶にかかわる特殊な犯罪に対するために設けられた。