髙賛侑監督の作品としては「アイたちの学校」に続く第2作。現在進行形の事実に迫ったドキュメンタリーであり、衝撃の場面も「よく映像が入手できたなあ」と驚くばかり、見ごたえのある作品だ。 2021年3月、若きスリランカ人女性のウイシュマ・サンダマリさんが名古屋出入国在留管理局で死亡した事件はいくつかのメディアでも報道されたはずだ。彼女が体調悪化したにもかかわらず入管で放置された挙句に苦しみ悶死したことが、この映画を見ればよくわかる。 映画の冒頭ではこの国の出入国管理制度がどのように始まり、それが在日朝鮮人をはじめとする植民地支配の結果として存在する外国人をいかに排除してきたかという歴史のおさらいから…