昭和54年中公文庫版。古本で買った後新装版があったことを知るが、そっちも20年前だし結局古本だろう。 細川護貞については、この時期だけを捉えるなら近衛文麿の側近というところでよいだろう。 上巻は高松宮の情報収集係となった昭和18年11月から東条内閣が倒れる昭和19年7月まで。 感想 内容についてここが正確・ここが不正確と言えるほど知識はないが、読んでいてもやもやする内容であった。近衛グループは東条内閣に見切りをつけ倒閣に動くのだが、なんとも煮え切らない行動しかしないのだ。 近衛が優柔不断で決断力に乏しいのはもう常識として。本書の中でも近衛の優柔不断っぷりを批判する内容が散見されるが、細川を含む…