世界連邦

一般

世界連邦

せかいれんぽう

定義

世界連邦とは、環境・資源・人口・食糧・貧困・戦争・紛争といった地球規模の問題を扱う単一の民主的な政府(世界連邦政府)を組織しようとする考え。

各国は互いに独立を保ちながらも、それぞれの主権の一部を制限し、連邦政府譲渡する。これにより各国家の無政府的対立を解消することを目指す。

具体的には、様々な構造的問題のある国際連合の改革・強化を志向するものが現在主流となっている。

(第二次世界大戦後の一時期には、国連と別組織で一気に世界連邦を樹立すべきという考えも強かった。)

近年では、国際刑事裁判所(ICC)設立が、世界連邦的な考えに基づくものとして注目されている。


類似した語として、世界国家世界政府世界共和国などがある。

関連した語として、世界市民地球市民世界主義コスモポリタニズム世界法などがあげられる。


歴史

世界市民世界国家といった考え方は昔からあった。

古代ギリシア哲学者ディオゲネスは、はじめて自らを世界市民と宣言した人物として記録に残っている。この思想は、キニク派・ストア派に受け継がれた。

ダンテは『帝政論』において、唯一の君主による世界国家論を説いている。

アンリ4世、ウィリアム・ペン、サン・ピエール、ジョン・ベラーズなどにもこの考え方が見られる。

この思想系譜の一つの頂点が、カントの『永遠平和のために』である。


また、日本においても、小野梓、植木枝盛中江兆民福沢諭吉といった自由民権論者の中に、この思想がみられた。


近年では、マーサ・C・ヌスバウムの「愛国主義コスモポリタニズム」という『ボストン・レビュー』誌で発表された論考が、アメリカで大きな論争をよんだ。その論争は『国を愛するということ』(人文書院, 2000)で読むことができる。

また、日本では、田畑茂二郎?から最上敏樹へ、といった国際法学者に世界連邦への関心の蓄積がある(http://khp-home.web.infoseek.co.jp/WFMI/WFMI36-tm.htm)。

批評家・柄谷行人の『世界共和国へ』(岩波新書,2006)も、この系譜に連なるものと言えるだろう。

山川偉也の『哲学者ディオゲネス ──世界市民の原像』(講談社学術文庫,2007)は、ディオゲネスの宣言したコスモポリタニズムの現代的意義を問い直す試みと言える。


運動

世界連邦を目指す国際組織として、世界連邦運動(World Federalist Movement)がある。

日本における活動としては、世界連邦運動協会がある。