寝つけない夜はタブレット端末で映画を観ることにしています。といっても、繰り返し観たい映画は案外少ないものです。amazon prime videoのめぼしいタイトルは見尽くしていますし、興味をそそられる新作がすぐに観られるわけでもありません。視聴を重ねると多かれ少なかれ有料VODに退屈するときが訪れます。そんなときの切り札がビリー・ワイルダー監督作品です。生命保険金殺人を取り上げた倒叙型サスペンスの『深夜の告白』(1944年)や第18回アカデミー賞4部門受賞の『失われた週末』(1945年)をはじめ、半世紀以上前のモノクロ作品であるにもかかわらず、色褪せない魅力と輝きを放っています。なかでも一番…