生得主義とは、特定のスキルや能力、学習や行動の傾向などが脳の中に元から備わっているとする考え方です。これと対照的なのが経験主義で、生まれたばかりの脳はタブラ・ラーサであって先天的なコンテンツは無く、環境から全てを学んでいくと考える。 生得主義は、言語学、認知心理学、発達心理学などの分野で広く支持されています。たとえば、言語学では、人間が世界中のさまざまな言語を習得できるのは、生まれながらに普遍文法という言語の基本的な構造を備えているからだと考える「普遍文法仮説」があります。認知心理学では、人間がさまざまな認知タスクを実行できるのは、生まれながらに特定の認知機構を備えているからだと考える「認知機…