『行文類』では、大行について述べられた後、まず経文による引証がなされます。経典に無いことでは仏説とは言えませんから、称名がキチンと本願にあることを経典の上で証明されるわけです。ところで阿弥陀仏の名号を諸仏が称揚讃嘆することは、衆生に聞かせ与える、すなわち衆生に回向するために他なりません。そのように往生の行を回向することを誓われた願だから、親鸞聖人は第十七願を往相回向の願と名づけられています。そして、なぜ名号を回向するかというと、それは阿弥陀仏が本願(第十八願)において、衆生往生の行として称名念仏の一行を選択されたからだとして、続いて選択称名の願と名づけられています。諸仏称揚の願、諸仏称名の願、…