「なぜ余計なことをするんだ。長崎は不戦敗でも仕方ないだろう」。2月中旬、岸田文雄首相(自民党総裁)は周囲に不快感を隠さなかった。いら立ちの原因は、4月28日投開票の衆院3補欠選挙のうち、長崎3区の対応を巡り、茂木敏充幹事長が首相の意向に反して、公認候補擁立の動きを続けていることだった。 ■総裁再選に望み 衆院東京15区、島根1区と同日に行われる長崎3区補選は、安倍派の政治資金パーティー裏金事件で略式命令を受けた谷川弥一氏(自民離党)の辞職に伴う選挙で、「政治とカネ」の問題の逆風が自民を直撃している。衆院小選挙区定数の「10増10減」により、長崎県では次の総選挙から選挙区が4から3に減り、現3区…