■ 第八十四回皐月賞(GI / 中山競馬場)のこと 家を出て、予想以上に強い日差しに驚いた。暑くなるとは聞いていたけれど、これほどとは。まだ午前十時前だったが、シャツの上に上着を羽織った私は、ずいぶんと蒸し暑く感じた。 家の近所の桜は、柔らかなピンク色の花びらを、まだそれなりに蓄えていた。ところどころ鮮やかな緑が覗く箇所もあるが、まだ十分に花見を楽しめる。 私の家は千葉県だが、都内にある勤め先の周りよりも、花が開くのが二、三日遅かったように感じる。その分遅くまで花を楽しめるのではないかと、期待している。 歩いて最寄り駅に向かった私は、自動改札機を抜けてプラットフォームに降り、特茶をごくごくと飲…