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先尾翼

サイエンス

先尾翼

せんびよく

航空機の一形式。主翼よりも前に水平尾翼を配置する。最初にこの形式を採用したドイツのFw19エンテ(鴨の意:鴨の飛行姿形に似ることから)に倣いエンテ翼、またその仏語訳からカナード翼などとも呼ばれる。

機体をコンパクトに纏め易い(このため比較的空気抵抗を抑え、あるいは軽量に設計可能であり、第二次大戦後期には従来型機の速度限界を打ち破るものとして期待された)などの利点を持つが横滑り安定性に欠く面がある。近年のジェット戦闘機ではむしろ不安定性を利点とし、コンピュータによる自動姿勢制御で安定性問題を解消しつつ横滑りを利用して水平旋回性を高めるなどの方向で新鋭機の設計に取り入れられている。

また後退翼とした主翼に重ねるようにカナードを配した場合、高迎角での揚力が増大し短距離着離陸能力が拡大する。これにより、とりわけ離陸能力に欠ける無尾翼デルタ機の離着陸性能を改善し広く普及した。