泉が予備校生から大学生になるころは、吾妻ひでおがブームになったり、大久保康雄訳のナボコフ『ロリータ』が新潮文庫に入ったり、『ミンキーモモ』や『コロコロポロン』がアニメになったりして、ちょっとしたロリコン・ブームだった。それが数年後に、宮崎勤の事件が起きて、特に少女に悪いことをしたわけではない単なる趣味のロリコンまでが白い目で見られるようになった、というのが一般的な世相史の見方である。 だが、現実はそれほど苛酷ではなく、その後も少女ヌード写真集は刊行され続けたし、むしろそれらが違法とされた今世紀に入ってからのほうが、事態は苛酷になっていった。「ロリコン」という語には、まだかわいげがあったが、それ…