児童文学『屋根裏部屋の秘密』(松谷みよ子著/偕成社)レビュー 故・松谷みよ子氏の情熱を感じる児童文学。 あえてあらすじや、登場人物の解説などはせずに言うと、これは「『祖先の重大な戦争責任』を知り、それを引き受けることを最初は強く拒否したが、やがてある決断を下す日本人の若者たちの成長物語」である。つまり「戦後責任というものを真正面から扱った作品」と言えよう。 この物語の若者たちは良いとしても、どうあっても日本の戦後責任を受け入れられずに、「新しい歴史教科書をつくる会」のメンバーのような「歴史修正(改竄)主義者」になってしまう日本人も居ることは確かなのだが…。その分かれ目はどこにあるのだろう。 児…