楕円翼

一般

楕円翼

だえんよく

航空機の翼の平面形の分類で、上から見て楕円に近い形状の翼のこと。

翼面積と翼幅が同じである場合、楕円翼は理論上誘導抵抗が最少となる。また、翼つけ根に作用する曲げモーメントを比較的小さく保ちながら翼弦が長い領域を多く確保でき、翼内のスペース効率がよい。

一方、翼の外板が三次元的な曲面となるため製造が難しく、また、翼端失速しやすいという短所がある。

楕円翼を採用した航空機としては、イギリス戦闘機スーパーマリンスピットファイアが有名。他にドイツハインケルHe111や日本の三菱96艦戦愛知99艦爆などが楕円翼を採用している。

99艦爆の試作機は翼端失速による不意自転に悩まされた。96艦戦スピットファイアなどは翼端失速防止のため主翼にねじり下げを設けているが、99艦爆ではさらに背鰭を設けて対策した。

スピットファイアは、楕円翼では翼弦が長い領域を多く確保できることに目をつけ、機関銃を収容するスペースを確保しつつ翼厚比を薄くして高性能を実現した*1

楕円翼第二次大戦前のひところの流行であり、楕円翼を採用した機体の後継機で再度楕円翼としたものは少ない(スピットファイア→スパイトフル、96艦戦零戦、99艦爆→「彗星」or「流星改」等が楕円翼テーパー翼の例)。これは、テーパー翼に比較して楕円翼がさほど特別なものではないと明らかになったことによる。

世界の傑作機 (No.102) スピットファイア

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