11月14日の続き 太平洋戦争に至る道程のなかで日本が世界から「どちらを選ぶか」と問われた3回の重要分岐点について、なぜ日本はより良き道を選べなかったのかを史料を読み込み考えるのがこの本(若者への講義録)の著者の狙いである。 私は何度もこの道程に関する史料や書物を読んできた気がするが、特にこの本で新たな知識になったことや、新たな考え方で参考になったことの一部を絞り込んで書いておくことにした。 ①昭和6年(1931)満州事変後、国際連盟が事変の調査のため派遣したリットン調査団の提言。 ・従来このリットン調査団の調査報告は、事変は日本の謀略で引き起こされ日本非難に満ちたもので、それ故結果的に日本が…