代田の丘の61号鉄塔

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代田の丘の61号鉄塔

だいだのおかのろくじゅういちごう

東京都世田谷区の地域風景資産に選定されたものの一つ。

 高圧鉄塔駒沢線の61号鉄塔世田谷代田二丁目の丘上に建つ。萩原朔太郎の娘、萩原葉子が描いた『蕁麻の家』には度々この鉄塔の記述が出てくる。「あの鉄塔」を表現されているのはこの鉄塔に他ならない。

 朔太郎を師と仰ぐ三好達治は、「詩界のコロンブス」と称し、「唯一最上の詩人」だとも述べている。その朔太郎は、当地で『氷島』を編んだ。ここが終焉の地である。また葉子の自伝小説『蕁麻の家』はここにあった家を舞台としている。

 しかし、詩人小説家が居住したという痕跡は何もない。たったひとつ残っているのが昭和元年に建ったこの鉄塔にほかならない。そのことから世田谷区地域風景資産に選定された。が、その表示も何もなかった。この度、北沢川文化遺産によって鉄塔由来碑が2012年10月6日に建立された。

 この場所は、北沢川緑道鶴ヶ丘橋たもとである。序幕式には花見堂小学校の児童が朔太郎詩「竹」を朗読し、彼らの手によって除幕が行われた。碑は「日本では他に類例をみない文学モニュメントだといえる」と結んでいる。