2022年発表の本書は、日本の中にいると空気のように感じている「国籍」問題を取り上げた、早稲田大学国際学術院教授陳天璽氏の著作。著者自身30年ほど無国籍の状態だった。両親が台湾から太平洋戦争後横浜に引き揚げて来て台湾国籍だと思っていたら、日中国交正常化、台湾との断交で家族ぐるみ無国籍になってしまった。 本書には20余りの家族の例を取り上げ、無国籍になってしまった経緯を示している。 ・満州国が無くなってしまった ・ロヒンギャ難民だが、ミャンマーは彼を国民と見ていない ・各国の戸籍法の相違による、手続き上の問題 などで、現在日本には1万人以上の無国籍者が、生活しているとある。一方で多重国籍を認めて…