大阪に“鶴橋”という町がある。 生野区と東成区に跨がり近鉄線とJR環状線の交差するわりと大きな駅だ。近鉄沿線っ子の僕はたまに利用していた。今は換気が良くなったのか薄れはしたが、電車の扉が開くと焼肉のいい匂いが漂っていて、改札を出るとチョゴリや寝具、キムチの店舗が密集した市場があり、異国情緒溢れる、アジアの匂い。さらに東へ進むと食べ物店舗が多くなり魚介卸店街に行き着く。迷路のようになっていて初めてのひとは迷うでしょう。 Kポップブームとやらで観光客も増え賑やかになったが、昔は少し近寄りがたい場所でもあった。 この地域には在日韓国·朝鮮人が多く住んでいる。高校生の頃は“朝高”を過度に怖れていた。「…