私たちは、どうすれば幸せになれるのでしょうか。 この謎を解くには、まず、私たちの住んでいる世界は、どんなところなのかを、よく見つめる必要があります。 鴨長明の『方丈記』に、京都に起こった災害を例にして具体的に記されていますので、意訳してみましょう。(『月刊 なぜ生きる』令和6年3月号に掲載。イラストは黒澤葵さん) ◆都の三分の一が焼失した大火災 宝石を敷き詰めたような美しい町、それが京都です。ここが都に定められてから、人々は競い合うように立派な住まいを築いてきました。 ところが、私(鴨長明)が都で暮らしている間に、「まさか!」と叫びたくなるような想定外の災害に、何度も見舞われたのです。 あれは…