《大事件に巻き込まれ、殺人犯のやくざの親分と対決する羽目に》 そういうタイミングで、新たな事件が起こった。 縫子の一人が出勤してこないので電話をしてみると、泣いてしゃべられない。 事情を聴くと、昨夜、兄夫婦が子供一人を道連れに、六甲山で車内に排気ガスをパイプで吸い込みガス心中をしたという。 あまりに突然の話でよく呑み込めなかったが、一家心中と訊いて驚いた。 とにかく励ます以外に言葉が浮かばない。 あとで知ったのだが、神戸新聞の見出しに「オイルショックの犠牲者か」というような大きな見出しで記事が出ていた。 翌日の神戸新聞には、「排ガス心中はやくざ絡みかと」全く違った記事になっていた。事情がよく呑…