バンド。 みうらじゅん(Vo.G.)、喜国雅彦(B.)といった漫画家連中が結成した税金対策バンド。TBSの深夜番組「イカすバンド天国」内で活躍した。最近、映画化もされたみうらの漫画「アイデン&ティティ」は当時のバンド活動の経験に基づいている。
カリフォルニアの青いバカ テレグラム・ゲロ
みうらじゅん 喜国雅彦
青春残酷物語 デジタル修復版 桑野みゆき Amazon ★★★ 不良少女の真琴(桑野みゆき)が中年男にホテルに連れ込まれそうになる。そこを大学生の清(川津祐介)が助ける。それをきっかけにして真琴と清はいい仲になる。清は真琴を使って美人局をすることに。同時に真琴の妊娠が発覚する。 松竹ヌーヴェルヴァーグの嚆矢となった映画である。 60年安保闘争を背景にしているところが目を引いた。また、韓国の四月革命も引用されている。当時は世界的に政治の季節だったわけだ。若者は青春の怒りを政治にぶつけていたのである。ところが、彼らの運動も完膚なきまでに叩き潰された。こと日本において市民運動が成功した試しはない。日…
映画監督大島渚の関係者へのインタビューをドラマ仕立てにした、半ドキュメンタリー作品。 下記、ネタバレ注意(?) 大島渚は毀誉褒貶相半ばする監督で、たぶんまだ作品は直接は見たことがない。 が、無論興味はあるので知識の仕込みとして良かろうとチョイス。 「オオシマギャング」は、無論、大島監督作品の制作に直接関与した人々を指す。 大島監督の妻で女優の小山明子が、インタビューでは大きな比重を占めている。 当時、大島は既に介護を必要とする状況だったらしく、その時の大島自身は作品には出演していない。 大島と松竹との関係に重心が置かれた描写ゆえに、大島作品や大島自身の思想というものが浮かび上がる内容となってい…
愛と希望の街 渡辺文雄 Amazon ★★★★ 少年・正夫(藤川弘志)が靴磨きの女たちに混ざって鳩を売っている。それを会社重役の娘・京子(冨永ユキ)が買い取る。ところが、それは鳩の帰巣本能を利用した詐欺だった。正夫には病気の母(望月優子)と自閉症の妹(伊藤道子)がおり、一家は生活保護で暮らしている。一方、京子には兄・勇次(渡辺文雄)がいて……。 貧富の差を題材にしたネオレアリズモっぽい内容だった。わりとまっとうな劇映画で驚いたが、そもそもヌーヴェルヴァーグはネオレアリズモから影響を受けているので、キャリアの初期にこういう映画を撮るのも必然なのだろう。方や高度経済成長から取り残された貧困層。方や…
帰って来たヨッパライ 加藤和彦 Amazon ★★★ 3人の学生(ザ・フォーク・クルセダーズ)が最後の休暇を楽しむため海にやってくる。服を脱いで泳ぎに出ると何者かに服がすり替えられていた。煙草屋の老婆(殿山泰司)に朝鮮からの密航者と間違われた3人はその場から立ち去る。銭湯でくつろいでいると、後ろにいた女(緑魔子)から服を盗むようアドバイスされる。そして、拳銃を持った青年(佐藤慶)と少年(車大善)が現れる。 ヒット曲とタイアップしたコメディかと思いきや、ベトナム戦争の脱走兵というシリアスな問題も扱っている。低予算らしい安っぽさがシュールな雰囲気を醸成していてなかなかすごい。ザ・フォーク・クルセダ…
DVDで映画『日本の夜と霧』(1960年、監督:大島渚)鑑賞。モダンなジャケットが印象的。あの頃映画 日本の夜と霧 [DVD]桑野みゆきAmazonこの映画は昔、どこかの名画座で見たことがあるが、あらためすごい映画だった。60年安保闘争をテーマにしてるが、内容は同時代に生きていた人でなければ本当に理解することは不可能だろう。もはや大島渚監督の意図を解する人は時代的に難しい。いまではリアルタイムで学生時代に安保闘争を経験した世代はほとんど残っていない。先の大戦と同じように安保闘争も遠い歴史上の出来事になってしまったというべきだろうか。www.youtube.comそれでも内容はともかく、演出には…
〈2022年3月31日の記事〉 映画界の革命児 今回の『アナザーストーリーズ 運命の分岐点』は【大島 渚 ”最前線” の戦い】。松竹ヌーベルバーグの旗手として映画界に登場。以降、革命児として衝撃の問題作を次々に世へ送り出し、世界にも名を知られた大島渚監督。 安保闘争をテーマとした『日本の夜と霧』(60年)で物議を醸し松竹を退社。性のタブーに挑戦した『愛のコリーダ』(76年)では「猥褻か芸術か」の大論争を巻き起こす。 そして83年のカンヌ国際映画祭に出品された『戦場のメリークリスマス』では、戦場での敵同士の男と男の愛情を描き、パルムドールの大本命と目された。 そんな大島監督の ”最前線” に生き…
文学や芝居や映画にとって、新宿の街がとても重要だった時代の思い出噺だ。 映画界のツワモノがたから噺を伺うという、三夜連続の講演会があった。場所は紀伊國屋ホールだったと思う。 第一夜は吉田喜重。長身細身の美男紳士が登壇した。もし大学教授だったら、研究室前に女子学生が行列しても不思議でない、学究的雰囲気を漂わせていた。大声で強調することなどなく終始自制的な口調で、聴衆が理解しようがしまいが云うべきことは云うといった講演だった。むしろ講義である。 映画監督の役割、映画の存在理由、フレームを切ることで世界を画面内と画面外とに二分することの意味合いについて語った。そうか、フレーム内で映画作品を形成すると…
小学生の当時、絶対に見ることは出来ないけど、脳裏にその題名が焼き付けられた映画。 それが大島渚監督の問題作「愛のコリーダ」(1976) 実際にあった「阿部定事件」が題材の日仏合作映画。 ワイセツか芸術かでもめた映画でもあります。 監督の大島渚さんは、松竹ヌーベルバーグの旗手の一人として、作家性の強い監督です。 だからこそ、こんな議論が起こったんじゃないでしょうか。 その問題作が今回、横浜シネマリンで上映されたので、早速見に行きました! (あらすじ) 元女郎のさだは、料亭で中居として働き始め、そこで主人の吉の愛人となる。やがて定は店を辞め、宿屋で吉と一緒の生活を始める。さだの愛情はどんどん膨らん…
お作を通して、ずいぶんいろいろ教えていただいた気がする。それでも私は、この作家にとって好ましい読者には、一度たりともなれなかった気がしている。 島田雅彦さんが『優しいサヨクのための嬉遊曲』で登場したとき、読みもせぬうちからその題名に圧倒されてしまった。アッ、新しい奴が出てきた、という感じがした。 国も時代もこのままでいいわけがない。ならばいかにすれば? 残念ながら勉強不足につき判らない。かといって日本社会党にも日本共産党にも同調できないとなれば、とりあえずは大学内を席捲していた新左翼だ。志は文学にあるから、政治運動にのめり込むわけにもゆかず、心情的には新左翼に共感しながらも行動をともにはせず、…
私は夏休みの宿題の中で一番好きだったのが絵日記です。 小学校高学年になると絵日記は姿を消し代わりに作文や人権ポスターが追加されたときは悲しい気持ちに打ちひしがれました。 童心に帰って絵日記っぽく観た映画を紹介してみようと思います。 しかしペイントソフトの仕様がいまいち分かってない中で描いてみたのでレイヤーを重ね忘れ下描きの上からそのまま描いてしまう失態をやらかしたけど作業を続行。 そして最後にめちゃくちゃ雑に色を塗っているときに「そういえばあの頃も色塗るのめんどくさかったな」と懐かしい気分になりました。 今回は大島渚監督の遺作を紹介したいと思います。 御法度 Gohatto 【概略】 大島渚監…
【水曜は和もの70's】15・りりィ りりィのセカンド「ダルシマ」からのソフトロック曲”今日は空が雨で出来てる”('73)で、途中からのarrがポール・マッカートニーの“Uncle Albert”にそっくりです(こういうの怒る人もいるけど僕はいやむしろOK)。前年には大島渚監督の「夏の妹」(主演は栗田ひろみ)にも出演してたように女優としても活動。“私は泣いています”がヒットするのは翌年の事です。日米のハーフとして博多に生まれ新宿でフーテンしてるうちにプロの歌い手になったといういかにも70's初めごろのエピソード(自分で言ってる)が好き。 https://www.youtube.com/watc…
28から30歳くらいの元教師・西村がいる。彼は結婚し子供もいるが、この5年間熱中していたのは、父母らが入居していた長屋の住人36人の伝記を書くこと。出生も仕事も年齢も共通していない36人であるが、共通しているのは1945年8月6日8時15分に広島で死亡したこと。すでに1960年代には被爆者の手記が盛んに書かれていたが(占領が終わってGHQの検閲がなくなったことと、ビキニ環礁で日本漁船が被ばくした。原水爆禁止運動が起こり、その影響があった)、西村はそのままでは消えてしまう記憶を言葉に残すことがとてつもなく重大な仕事であると思えた。しかしあまりの熱中を妻子は理解せず、元からの他人嫌いや無関心のせい…
2024/03/15 高橋和巳「憂鬱なる党派 上」(新潮文庫) 六全協で挫折した活動家たち。大島渚「日本の夜と霧」と同じ主題。 1965年の続き 20世紀にはこの小説は社会運動や革命運動のやりかたについての議論をどう評価するかで読んできただろう。革命家になるのか、党員になるのか、党の方針に無条件でしたがうのか、党の方針を(除名覚悟で)批判するのか。除名されたり離脱したものは運動に参加してもよいのか。こういう議論は1980年ころまではさまざまな党で行われてきたが、21世紀にはもう無効。議論の中心にあった党が運動をするものに権力や権威を発揮しなくなったから。むしろ21世紀には無党派の人々が問題ごと…
読んだ 飯村大樹「サッド・バケーション」 大白小蟹「うみべのストーブ 大白小蟹短編集」 山下澄人「しんせかい」 「現代詩文庫18 長谷川龍生詩集」 「NHK100分de名著 ローティ 偶然性・アイロニー・連帯」 河野真理子「メロドラマの想像力 その核と射程」 山本さほ「岡崎に捧ぐ 第2巻」 穂村弘、東直子「回転ドアは、順番に」 大島渚 高崎俊夫編「わが封殺せしリリシズム」 佐々木敦「新しい小説のために」 「伊丹十三選集 二」 観た 小林恒夫監督「点と線」 成瀬巳喜男監督「山の音」 岡本喜八監督「江分利満氏の優雅な生活」 ヴィム・アンダーソン監督「PERFECT DAYS」 木下恵介監督「女の園…
俳句を詠むに意味で読まないこと 児 島 庸 晃 目視して物を受け取る時、その感覚は意味で受け取っているのではなかろうか、と思う時がある。それらは頭で判断していると思われているのだろうか。だが、実際は情感で物を見ているのである。俳句が意味の句の表現になってしまうのは、その意味が頭の中に残ってしまっているからである。俳句は情感の支えがしっかりしていなければ、ただの言葉でしかなくなる。俳句は意味で作ってはならないのである。俳句が説明になってしまう理由でもある。私の二〇代初めの頃、映画の世界にヌーベルバーグ(新しい波)と言う新しい表現の実感直感のフランス映画が、日本の若者の心を捉えていた。その代表的映…
1950年代、世田谷区奥沢から三茶にかけてを舞台に、ロンドン帰りのスリランカ人画家デウェンドラサン දෙවොන්දරා සන්(38歳でしたか)と、近くのバー勤めの女性典子サン නොරිකෝ සන්(21歳だったか23歳だったか)のふたりの、恋と別れの物語です。スリランカでは記録的なベストセラーを記録したそうで、アジアの大半の地域は80年代に日本製ドラマ「おしん」で初めて戦後邦人女性像に接したわけですが、ひとりスリランカは、1950年代すでにノリコサンに接していたという。 おどんま 盆ぎり盆ぎり 盆から先ゃ 居らんど 盆が早よ來りゃ 早よ戻る 亡き人 | NDLサーチ | 国立国会図書館 (1…
万引き家族リリー・フランキーAmazon 基本情報 万引き家族 ★★★★ 2018 ヴィスタサイズ 120分 @アマプラ 撮影:近藤龍人 照明:藤井勇 美術:三ツ松けいこ 音楽:細野晴臣 原案、脚本、編集、監督:是枝裕和 感想 ■団地群の谷間に残る廃屋のような平屋に棲む5人の家族は低賃金労働と国民年金と万引きでかつかつの生活を続けていたが、それでもなんだか楽しそうな生活を送っている。でも、家族には大きな秘密があり、成長した少年は万引きに罪悪感を覚え始める。。。■散々話題になった是枝監督の代表作だけど、さすがに優等生的によくできているし、誰が観てもわかりやすいし、日本のシビアな現代を直截に描いて…
小津安二郎監督『麦秋』1951何度もテレビで放映されてきているでしょうが,私は,たぶん見ていない.若いころは,欧米の映画のほうが圧倒的におもしろいと思っていたので, 『麦秋』紀子の暮らす家庭 寅さんも角川も1本ずつしか見ませんでした. **黒沢,小津は1960年代には大御所であり1970年代には映画の教科書のようになり1980年代には,分析・論評対象の作品になってしまって(そのためか,日本映画は失速)私は,鈴木清順や次の勅使河原,大島渚のほうに興味がいき,実際はヨーロッパ映画を見ていました. 『麦秋』人生を語り合う紀子の両親(東山千栄子と菅井一郎) あらためて50年代,60年代の映画におもしろ…
「AI」といえば、今は巷をにぎわせているArtificial Intelligenceですね。 でも、ここでは「愛」です。 部屋のBGMにイギリスのBBC Radio2を流したりします。 幅広い世代の英米ポップ・ロックがかかっていて、かつイギリス英語の響きが好きなので流しています。 この曲、よくかかります。 Quincy Jones - Ai No Corrida (1981) 今までクインシー・ジョーンズのオリジナルと思っていましたが、これはカバーバージョンなんですね。 クインシー・ジョーンズはマイケル・ジャクソンのアルバムのプロデューサーで有名ですね。あと・・久石譲さんの名前の由来ですね。…
2024/02/20 河出文芸読本「高橋和巳」(河出書房)-1 若い人にはウケたが、年上の人は批判的だった「苦悩教」の作家。 1980年の続き 没後に編集された高橋和巳評。 座談会 高橋和巳の文学と思想(大江健三郎/小田実/中村真一郎/野間宏/埴谷雄高) ・・・ 作家を知っている人たちの作品評。埴谷がとても雄弁で、中村と野間は静か。大江は50代の大学教授を語り手にした「悲の器」を青春文学としているが、それは人生の可能性を展望しながら現在の自分を考えるからだそう。後、高橋の小説は「私」を書くが「私小説」ではない。若い人にはウケたが、年上の人は批判的だったとのこと。 高橋和巳と中国文学(井波律子)…
曇り空で時折ぱらぱらと雨が降る。運転免許の更新に朝から出かける。講習を聴きながら車の運転はつくづく無理だと思う。明石駅前まで出たので「台湾牛肉麺 群ちゃん」で担仔麺と魯肉飯のセットを食べる。どこかに寄ろうと思うが、どこにも寄らず。帰り道の途中で、車が民家のブロック塀に突っ込んでいるのを見る。やはり車の運転は難しいものだ。 アルチュセールの「「ピッコロ」、ベルトラッチーとブレヒト」をゆっくり読んでいる。行きつ戻りつしながら、ひとり読書会のような具合に、いちいち確認しながら。 晩御飯のあと、柚子と昨日のケーキの残りを食べる。大島渚の『少年』の後半を見る。本を読みながら寝てしまう。
岡田さんの解説をYouTubeで見た。この映画を見ると号泣してしまうので、1人でこっそりとみたい。この映画は単純に反戦だけではなくて、孤立してしまった個人が、社会で生きていくのは大変だよっていうテーマも含んでいる。話は逸れるが、作者の野坂昭如さんがマイクで大島渚監督の頭を殴ったシーンを思い出してしまった。その時、監督の奥さんが笑顔で、仲裁に入っていたのが印象的だった。人付き合いは苦手だけれど、決定的な決裂にならないように、他者と付き合っていかないといけない。自由で安全で楽しく過ごせる社会が維持されるように、個人も勉強しないといけないと思った。
以上、『儀式』(創造社=日本ATG1971:大島渚)より きょう2月18日は、中村敦夫(なかむら あつお)さんの誕生日です。1940年生まれの84歳になりました。おめでとうございます。東京都出身。福島県いわき市に疎開。福島県立磐城高等学校から東京都立新宿高等学校へ転校、卒業。1958年、東京外国語大学インドネシア語学科に入学。翌年、中退して俳優座養成所に第12期生として入る。同期は伊藤孝雄、石山雄大、長山藍子、樫山文枝、山本圭(故人)、橋本功(故人)、東野英心(故人)、松山英太郎(故人)、そして入所は11期だが落第して12期生となった成田三樹夫(故人)、など。1963年俳優座入団。1971年に…