第2分析

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第2分析

だいにぶんせき

第二分析

操体における「第二分析」を指導しているのは2012年現在、三浦寛主宰の操体法東京研究会のみであり、三浦門下生でも第二分析以上の講習を開講しているところはない。第二分析(快適感覚をききわけさせる分析法)を実際操体臨床で行っているのは、操体法東京研究会修了者、あるいは感覚分析診断操法士、一般社団法人日本操体指導者協会認定公認操体プラクティショナーのみである。

橋本敬三の一番弟子である三浦寛が、第1分析、第2分析、第3分析とともに命名したものである。

橋本敬三医師自身、85歳で引退するまで、「楽な動き」「きもちよさ」の区別が明確になっていなかったようで「万病を治せる妙療法」などには「楽」と「快」を混合した表記が見られる。例えば「らくなほうときもちいいほうがあったら、きもちいいほうへ動かす」というような感じである。

橋本敬三が85歳の時、操体は「楽な動きではなく、きもちよさを味わうことである」というようにシフトチェンジする。卒寿の祝いでも「楽と快は違う」「動きより感覚の勉強をせよ」(楽な動きではなく、きもちよさを聞きわけさせよ)と言っているが、文献として残っていないため、一般にはあまり知られいない。

橋本敬三医師から「きもちのよさでよくなる」という言葉を聞いた三浦寛は、それまで行っていた「楽な動きをききわけさせる」第1分析を捨て、快適感覚を聞きわけさせる分析を5年の歳月をかけて構築した。

対になった二つの動きを比較対照するのではなく、一つ一つの動きを、末端への介助からからだの中心骨盤、全身へとおすプロセスにおいて、快適感覚の有無を問いかけてゆく。これが分析(動診)である。快適感覚がききわけられたら、そのきもちよさを味わう。この過程が治療(操法)となる。脱力であるが、快適感覚を味わっている場合、第1分析のように瞬間急速脱力にはならない。「きもちよさが消えた後の、からだの要求感覚に従って下さい」という指示を与えると、からだはゆっくりと脱力してくるケースが殆どである。

第一分析との大きな違いは、末端への介助法の確立、連動学の確立、からだにダイレクトに働きかける言葉の誘導の確立である。また、第1分析は操者が一切の誘導を行うが、第2分析は、被験者自身ではなく、被験者自身のからだの要求にゆだねる。快適感覚が関与するので、瞬間急速脱力にはならず、操法の回数の要求も少ないことが多い。特に第2分析以降は、操者は武術的な身のこなしを要求される。

なお、操法の回数は快感度と反比例するが、第一分析が2回から3回、あるいは3回から5回くり返すのは、これが「快適感覚」ではなく、「楽な動き」だからである。

第1分析(楽な動きの問いかけ)と、第2分析(きもちよさのききわけ)を混同している場合(迷走分析)の特徴は「どちらがきもちいいですか」という問いかけを行ってしまうことである。この場合、大抵の被験者は二者択一に困り、動きを表現できない。そこで操者は「きもちよさを探して」という指導をしてしまう。

第2分析の過程は「診断(分析)」「治療(操法)」と進んで行くが、「きもちよさを探して」という誘導は、診断分析をスキップして、いきなり操法(治療)の過程に踏み込んでいることになるので、操体臨床とは言えない。また「きもちよさを探して」と言われた被験者は、からだを色々動かしてみるしかないのである。

この「迷走分析」は多くの操体実践者が陥っており「患者が『どちらがきもちいいかわからない』という」共通の悩みを持つ。