1981年8月、短歌新聞社から刊行された稲葉京子(1933~2016)の第3歌集。装幀は大越芳江。著者は江南市生まれ、刊行時の著者の住所は杉並区下井草。 昭和五十年秋から、五十六年初めまでの三百五十首をまとめて一冊とし、『槐(えんじゅ)の傘』と名付けました。 この集は、私の三番目の歌集にあたりますが、ここに在った年月を、私は今までになく烈しく歌を思い、歌に執し、歌を得るべき純粋な空間を求め続けました。 そんな私を励まし暖かく見守り続けて下さった皆様、本当に有難うございました。 第一歌集、第二歌集からいくばくの進展をなし得たか、心もとない限りですが、皆様のお力添えにより第三歌集を纏める機会を得ま…