菅江真澄の著作の特徴は、文章だけではなく図絵を多く使っていることだと思う。 世の中には、紀行文を残した人は多いと思うが、文章とともに絵をも描いた人はそれほどはいないだろう。 菅江真澄全集においても、巻頭の数十ページは図絵を掲載している。 その巻の内容によって、図絵のページ数はかなり多少の差が大きいが、ほとんどは白黒写真であり、初めの一枚か二枚だけがカラー写真である。 1970年代の発行であるせいか、写真の品質はあまり良くはない。 それでも、真澄の直筆の絵と文章を楽しむことができる。 いなのなかみち たなばた 全集第1巻の巻頭にある絵 菅江真澄の自筆の著作の多くは、秋田県立博物館と大館市立粟森記…