中全音律

音楽

中全音律

ちゅうぜんおんりつ

ミーントーン音律とも呼ばれる。

長3度を純正な音程(周波数比で4:5)にすることを最大の目的とした音律で、そのためほとんどの完全5度の音程が純正な音程より5セント強狭くなっている。

純正律長音階の振動周波数比率を音階表にしてみると、このようになる。

(なお、レとシの比率は、ソの属和音として算出)


階名ファ
周波数比率1¥frac{9}{8}¥frac{5}{4}¥frac{4}{3}¥frac{3}{2}¥frac{5}{3}¥frac{15}{8}2
次音との比¥frac{9}{8}¥frac{10}{9}¥frac{16}{15}¥frac{9}{8}¥frac{10}{9}¥frac{9}{8}¥frac{16}{15}


ミとファの間とシとドの間は半音なので除くと、全音が二種類生じているのが分かる。

¥frac{9}{8}¥frac{10}{9}であり、前者を大全音、後者を小全音と呼ぶ。

中全音律では全音は全て同じ音程であり、純正律の大全音、小全音に対して「中全音」と呼ばれる。

転調は大幅に制限され、ハ長調を基準とした場合♭2個、♯3個までが実用的な範囲となる。


「中全音」(ミーントーン)は狭義には、長3度が純正に響くように調整されたものをいうが、もっと拡大解釈して大全音と小全音の間のどこかにとられた全音でありさえすればすべて「中全音」だと言ってしまう場合もある。これらを区別する場合には、前者を1/4シントニックコンマミーントーン、又は略して1/4コンマミーントーンと呼ぶ。考案者の名前から「アーロンの中全音律」(Pietro Aron, 1480頃-1550頃)と呼ばれる場合もある。転調が大幅に制限されるのは1/4コンマミーントーンの特徴に関する説明。

後者は拡大中全音律などと呼ばれ、その全音の決め方に応じて1/5,1/6,1/7,1/8,・・・1/12コンマミーントーンまで、色々なバリエーションがある。このうち1/6コンマミーントーンはゴットフリート・ジルバーマンの調律法(Gottfried Silbermann, 1683-1753)として、バロック演奏等で用いられることがある。


関連用語

音律

ピタゴラス音律

純正律

平均律


参考文献

「音のなんでも小事典」P.122

音のなんでも小事典―脳が音を聴くしくみから超音波顕微鏡まで (ブルーバックス)

楽典 理論と実習」P.14

楽典―理論と実習

ゼロ・ビートの再発見―「平均律」への疑問と「古典音律」をめぐって

ゼロビートの再発見 復刻版

ゼロ・ビートの再発見 技法篇―「古典音律」の解釈と実践のテクニック

ゼロビートの再発見 技法篇 復刻版