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中東呼吸器症候群

(サイエンス)
ちゅうとうこきゅうきしょうこうぐん

[英] Middle East Respiratory Syndrome(略称:MERS
中東呼吸器症候群とは、MERSコロナウイルス(MERS-CoV)に感染することで、発熱や肺炎を起こし下痢などの消化器症状を伴う症候群のこと。
2012年9月に初めて報告された。

  • 2013年6月現在、ワクチンや有効な抗ウイルス薬はなく、対症療法でウイルスに対して免疫を有するようになることを待つしかない。
  • 2013年6月4日、計53人の患者が報告され、うち30人が死亡。
  • 2013年10月14日、WHOにによると、患者は138人。うち60人が死亡。
  • 2015年1月21日、厚生労働省は感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(感染症法)において、二類感染症に指定した*1

発生地域

主として中東地域で患者が報告されているが、このほか、ヨーロッパ(イタリア、英国、オーストリア、オランダ、ギリシャ、ドイツ、フランス、トルコ)、アフリカ(アルジェリア、エジプト、チュニジア)、アジア(フィリピン、マレーシア、韓国)及び北米大陸(アメリカ合衆国)からも患者の報告がある。ただし、これらはすべて、中東地域で感染した人(輸入症例)もしくはその輸入症例患者と接触した人であることがわかっている。

症状

主な症状は、発熱、せき、息切れなど。下痢などの消化器症状を伴う場合もある。MERSに感染しても、症状が現われない人や、軽症の人もいるが、特に高齢者や糖尿病、慢性肺疾患、免疫不全などの基礎疾患のある人で重症化する傾向がある。

感染源

人がどのようにしてMERSに感染するかは、まだ正確には分かっていない。患者から分離されたMERSコロナウイルスと同じウイルスが、中東のヒトコブラクダから分離されていることなどから、ヒトコブラクダがMERSウイルスの感染源動物の一つであるとされている。その一方で、患者の中には動物との接触歴がない人も多く含まれており、家族間や、医療機関における患者間、患者−医療従事者間など、濃厚接触者間での感染も報告されている。

治療

現在、MERSに対するワクチンや特異的な治療法はなく、患者の症状に応じた治療(対症療法)となる。

*1:これにより、国内でMERSの患者が発生した場合、医師による患者の届出や、患者に対する適切な医療の提供等が、法律に基づいて行われる

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