予報通りの強風。水面が真っ暗になるほどの雲、そして雨。優勝戦の本番レースのときには雨は上がったものの、波高10cmの悪条件のなかでの戦いになってしまった。 そのあおりを受けたものだろう。1マークで吉川元浩が転覆。幸い大きなケガはなく、レスキューからは自力で降りて、中澤和志の問いかけに「大丈夫」と応えている。転覆艇の引き上げにも参加していて、それに関しては良かったと思う。しかし、吉川にとっては不本意な優勝戦1号艇となってしまったのは間違いない。悔しいというよりも、さまざまな思いが複雑に絡み合っていたはずだ。 4番手の桐生順平がゴールインしてからしばらくして、ボートリフトに集まった選手たちからは「…