前回取り上げた『黄色い部屋の秘密』を書いたガストン・ルルーのもう一つの代表作『オペラ座の怪人』(1910)は昨日(9/2)、2022年に出たばかりの新潮文庫の村松潔訳で一気読みした。 www.shinchosha.co.jp 役者の村松潔は東京都江東区出身で1946年12月1日生まれというから76歳のベテランで、1993年に訳したロバート・ジェームズ・ウォラーの『マディソン郡の橋』(原作1992, 文藝春秋1993, 文春文庫1997)がベストセラーになったという。これはアメリカの作家の本だから、訳者の本業であるフランス文学(1994年にパリ大学で現代フランス文学の修士号取得)ではなくアメリカ…