私が小学生の頃のお話。学期の最後に成績表を先生からいただく、通知簿と呼ばれるものだ。できることなら親にこれを見せたくはなかった。そのようなことは無論許されるわけもなく必ず両親に手渡された。なぜ見せたくなかったか、というと単純な理由で、成績が良くなかったからだ。五段階評価で三がもっとも多く、二もちらほら、僅かに四がある程度のもので、五は皆無という散々なものだった。 通知簿?いや、今日はもらわなかったかな? この通知簿には、先生から保護者へのメッセージ欄のようなものが存在していた。ここは大人から大人へ伝えるための言葉遣いで書かれているので、子供が見ても今ひとつ何のことを書いているのか分からないこと…