初場所5日目の両国国技館を訪れた。2階椅子席は客の大半が外国人観光客。しかし、土俵で凌ぎを削る力士たちもずいぶん前から外国人ばかりなのだと思えば、客層の方がようやく追い付いた感もある。 ちなみに「力士」は英語で「スモウ・レスラー」。では「相撲部屋」は何と言うか。驚くなかれ「スモウ・ステーブル」である。すなわち「相撲厩舎」。これを聞いて驚く人は多いが、私はこれ以上の訳語はないと喝采を送る。なにせ競馬と相撲には共通項が多い。 一代年寄を除き百五に限定される年寄株は内厩制の調教師制度に通ずるし、相撲のタニマチは競馬なら馬主であろう。夜も明けきらぬ早朝からトレーニングに励み、それを「稽古」と呼ぶのも一…