転向文学

読書

転向文学

てんこうぶんがく

1933年に獄中の共産党指導者佐野学、鍋山貞親が《共同被告同志に告ぐる書》で、天皇制支持、満州事変肯定、コミンテルン離脱を主張して共産主義思想の放棄を呼びかけて以後、共産主義者たちがその信条を放棄していった文学のこと。

主なものに村山知義「白夜」(『中央公論』五月号)、「帰郷」(『改造』七月号)、島木健作「癩」(『文学評論』四月号)、藤沢桓夫「世紀病」(『中央公論』二月号)、窪川鶴次郎「風雲」(『中央公論』一一月号)、徳永直「冬枯れ」(『中央公論』一二月号)などである。翌年は中野も一連の転向小説を発表し、「第一章」(『中央公論』三五年一月号)、「鈴木・都山・八十島」(『文藝』三五年四月号)、「村の家」(『経済往来』三五年五月号)、「一つの小さい記録」(『中央公論』三六年一月号)、「小説の書けぬ小説家」(『改造』三六年一月号)らがそうである。