日本の世界征服計画書だとされる偽書。田中メモランダムとも呼ばれる。
昭和2年 (1927) に、当時の首相・田中義一から昭和天皇に差し出された上奏文の形を取るが、内容的に昭和4年 (1929) の公表間際に書かれたのは明らかで、田中自身の経歴に誤りがあったり、上奏文としての形式に基本的な不備があったりするため、偽文書であることはまず明らかである。
しかし現在でも、ロシアや中国では本物だと信じられており、中国では特に教科書などで教えられていたりする。
また、米国政府によって戦時中の反日プロパガンダに利用されたため、米国をはじめとするそれ以外の国々でも信じ込んでいたり、田中上奏文に基づく史観が名残りを留めていたりする。
なお、一時期米国の学者によって、ソ連謀略説が唱えられたことがあるが、成立時期を考えると成り立ち得ない。