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東急車輛製造

(一般)
とうきゅうしゃりょうせいぞう

かつて鉄道車両・コンテナ・特装車・立体駐車場などを製造していた会社。1948年(昭和23年)8月23日:創業
英文表記:Tokyu car corporation
通称:東急車輛
その名の通り、かつては東京急行電鉄東急)が同社株式のすべてを持っていた*1が、後述の事業別分社化を経て鉄道車両事業は東日本旅客鉄道(JR東日本)に(→総合車両製作所)、特装車・立体駐車場部門は新明和工業にそれぞれ譲渡・継承されている。

鉄道車両事業

東急はもちろん、JRグループや他の関東地方の民鉄を中心に広く鉄道車両の製造を行っている。殊にE655系電車については日立製作所と分担で製造にあたり、特別車両(E655-1)を含む3両を日立製作所が、残る3両を東急車輛が製造する栄に浴した。また、車輛製造技術をJR東日本に供与することで新津車両製作所の開設に大きく寄与した。

この他、かつて関西地盤の車両メーカーであった帝國車輛工業が南海電気鉄道の顧客だったこともあり、その帝國車輛工業が1968年に東急車輛に合併された後も南海及びグループの阪堺電気軌道は引き続き東急車輛に新車発注を行っており、関西の民鉄として数少ない顧客となっている。また、かつては大阪市交通局や、南海に乗り入れる泉北高速鉄道も同様に東急車輛に新車発注を行っていた。
なお、帝國車輛工業がかつて「梅鉢車輛」(「梅鉢鉄工所」とも)と呼ばれていた頃、太平洋戦争期に一時京成電気軌道(のちの京成電鉄)の傘下に入っていたことがあるが、京成電鉄東急車輛との取引を開始したのは帝國車輛が東急車輛に合併された後のことである。

本社・横浜製作所

新車搬出のための専用線が金沢八景駅近くの車両工場(横浜製作所)から三線軌の線路として京急本線の上り線に一時合流し、京急逗子線の神武寺駅に入る直前までの区間が三線軌条となっている。神武寺駅からは再び逗子線から分かれ、線路の先は車両の引き渡し・搬入を行うJR逗子駅までつながっている。この専用線は川崎重工業で製造された京浜急行電鉄向け車輛及び、日本車両で製造された京成電鉄及び北総鉄道向け車輛に必要な標準軌用台車履き替え作業を行うために横浜製作所に入場及び出場する際にも使用される。なお、車両の引き渡し・搬入がない時間帯は、専用線は門扉で厳重に封鎖されている。

横浜市にある同社の本社および横浜製作所は、京急本線の金沢文庫金沢八景間沿いにあり、京急の電車から「東急車輛」の看板がはっきり見える。鉄道車両はここで製造され、やがて全国各地へと送り出される。
落成車輛のうち、横浜製作所とレールが接続している各社について、京急向けは一部を除き自力で出場する。京成北総向けは京成の車輛に牽引されるか、自力で出場する(ただしAE形(2代、スカイライナー)のようにトレーラーで宗吾参道駅近くの車両基地まで陸送されたケースもある)。またJR東日本向けの車輛についても、直流・交直流電車は東急車輛からの専用線で逗子駅に到着・引き渡し後、自力で回送される。

また、横浜製作所内の車両の写真撮影に特に厳しいとされ、工場の外には「新車の写真撮影は御遠慮下さい」との看板が掲げられている。

鉄道車両・特装車事業等からの撤退及び経営譲渡

2011年10月27日、親会社の東急電鉄2012年4月をもって東急車輛製造のうち、鉄道車両事業・立体駐車場・特装車事業をそれぞれ分社化し、鉄道車両事業をJR東日本に、立体駐車場・特装車事業を新明和工業に譲渡する方針を明らかにした。
この事業継承にあたり、東急車輛では2011年11月9日に事業継承準備会社として「新東急車輛株式会社」「新東急パーキング株式会社」を発足させ、その上で2012年4月1日、会社分割を実施して鉄道車両事業を「新東急車輛株式会社」に、立体駐車場部門を「新東急パーキング株式会社」にそれぞれ承継させた。
さらに翌4月2日に東急電鉄が「新東急車輛株式会社」の全株式をJR東日本に、「東急車輛特装株式会社(特装車部門、2011年4月1日に東急車輛から分社化済み)」及び「新東急パーキング株式会社」の全株式を新明和工業に譲渡し、「新東急車輛株式会社」は「株式会社総合車両製作所」(J-TREC)に、また「東急車輛特装株式会社」及び「新東急パーキング株式会社」はそれぞれ「東邦車輛株式会社」及び「東京エンジニアリングシステムズ株式会社」に改称された。
上記の事業別分社・売却後も、東急車輛製造は社名変更の上で不動産管理会社として存続される。

*1:2002年10月1日におこなわれた東京急行電鉄との株式交換による東急車輛製造の完全子会社化による。

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