寺尾聰さん。浅丘ルリ子さん。深津絵里さん。齋藤隆成さん。吉岡秀隆さん…が、訳ありの5人の人物たちを好演。これは嬉しい裏切りであり、パッケージの第一印象から…とある数学博士の夫婦の物語かと単純に想像していたので反省する。都会の雑踏から離れた…移動手段は最低でも自転車。そんなイメージの長閑な場所が舞台。(原作では杏子=「私」の目線で描かれていると言うが)今作では…杏子の息子(ルート少年と数学の教師になったルート先生)の目線で描かれている。「数式は日常のあらゆる場所に溢れている」…と。それでいて、人の繋がりや罪、罰…喜怒哀楽…の中で今を受け入れながら、美しい数式に目を向け穏やかに生きるという……