十勝管内浦幌町のアイヌ民族団体が、道知事の許可を受けずにサケ漁を行う権利の確認を求めた行政訴訟で、札幌地裁は請求を退けた。先住民族の権利(先住権)を巡る初めての司法判断である。 原告の「ラポロアイヌネイション」(旧浦幌アイヌ協会)は、長く慣習的に認められていたサケ捕獲権が明治政府の北海道開発で奪われたと指摘。当時の同化政策も批判していた。 そのうえで「サケ捕獲権はアイヌの文化、精神的伝統に由来する固有の権利だ」と主張し、生業として捕獲する権利を求めていた。 だが、札幌地裁は、資源保護の観点などからサケ漁を規制した現行の法制度は不合理ではない、などと結論付けた。 2019年施行のアイヌ施策推進法…