寛和2年(986年)8月30日、懐仁親王が即位しました。後の一条天皇です。 即位礼の当日、天皇陛下の玉座である高御座(たかみくら)に生首が乗っているのを発見しました。 このエピソードは平安末期の歴史物語集『大鏡』に記述があります。 ……前の一条院の御即位の日、大極殿の御装束すとて人々あつまりたるに、高御座のうちに、髪つきたるものの頭の、血うちつきたるを見つけたりける、あさましく、いかがすべきと行事思ひあつかひて、かばかりのことを隠すべきかとて、大入道殿に、「かかることなむ候ふ」と、なにがしのぬしして申させけるを、いと眠たげなる御けしきにもてなさせ給ひて、物も仰せられねば、もし聞し召さぬにやとて…