簡単な方の相対性理論*1。1905年にアインシュタインが提出。
一言で言うと
「あらゆる慣性系は同等であり、どの慣性系でも同じ物理法則が成立する」
ということ。もう少し丁寧に書くと、
1905年、アインシュタインが絶対静止の座標系を否定して、互いに等速運動をしている座標系に関してはすべての自然法則は同一の形式を保つということを主張した理論。質量とエネルギーの等価性が導かれた。→相対性理論。
広辞苑 第五版 (C)1998,2004 株式会社岩波書店
(詳細は「相対性理論」を参照)
「光速度不変の原理」と「共変性の原理」という二本の柱からなる。
「光速度不変」とは、どの慣性系から観測しても光の速度は変化せず一定であるとする。
日常生活的な考え方だと、
はずである。実際、音でもボールでも、移動しながら投げたら同じような現象はいくらでも観測できる。
が、マイケルソン=モーリーの実験の実験では、光の速度は(地球が運動しているのに)常に一定であるように見えた。これはつじつまの合わないことなので、いろいろな人(ローレンツとフィッツジェラルドとか)が解決するためにいろいろな努力を行った。
決着を付けたのはアインシュタインで、極端に言うと
「観測者が動いているというのは錯覚。周りが動いているからそう思えるだけ。静止して観測しているから光の速度が一定なのは当たり前」
という結論に導いた。
では「静止している別の観測者」が「移動する観測者」を見たときに何が起きているのか? 要するに静止している観測者の座標系を、動いている観測者の座標系に置き換えるにはどうするのか。
これはローレンツ変換として知られていた変換であり、もともとは「運動すると光の速度が変わるけど、ついでに大きさ(長さ)が変わるので、結果として光速が一定に見える」というものだった。
アインシュタインはこの解釈を改め、「運動してても光速は一定、だけど物の大きさと時間の長さと質量の大きさが変わる」とした。
したがって、「静止した観測者」が「運動している時計」を観測した場合、ローレンツ因子分だけ時計が遅く進んでいるように見え、ついでにローレンツ因子分だけ重たくなっているように見える、というのである。
ローレンツ因子γは速度に対して非常に小さいので、光速に近いような運動でなければ差異を観測するのは難しい。
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*1:「難しい方」は一般相対性理論だ